【映画好きのわたしが伝える】おさえておきたい映画賞③世界三大映画祭

おさえておきたい映画賞③世界三大映画祭
あなたの悩み

世界三大映画祭って何?
どういう作品が受賞しているの?

こういった悩みにお答えします。

映画を観るときにおさえておきたい映画賞がいくつかあります。

今回は場所をヨーロッパに移して、世界三大映画祭カンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭)についてご紹介します。

芸術文化が根強い場所で称えられる映画とはどんな作品なのか、その特徴や映画祭の様子をまとめてみました。

目次

映画祭と映画賞の違い

映画祭と映画賞の違いを簡単に比較してみました。

映 画 祭
映 画 賞
  • 開催期間は1週間前後
  • まだ一般に公開されていない作品を中心に上映会場で上映し、そこから賞を決める
  • 開催期間は基本1日
  • すでに一般公開された作品の中から賞を決める

このように映画祭は一般に上映されていない作品が中心で、そこで初めて上映されて配給会社が買い取りを行ったりもします。
よく映画祭で受賞のニュースを聞いても、知らない映画であることが多いのはこのためです。

一方、すでに上映された作品から賞を決める映画賞(アカデミー賞など)は、広く認知された映画であるため、受賞のニュースを聞いたとき話題になりやすいです。

倫子

映画祭は新作お披露目の場所でもあるのね

世界三大映画祭の共通点は審査員

おさえておきたい映画賞③
引用:eiga.com

世界三大映画祭の審査員は、著名な映画人や文化人が映画祭の運営責任者によって選出されています。

この選出方法は、男女・人種の平等性が重視されています。

また毎年審査委員が変わるため、受賞作品の傾向が変化しやすいとも言われています。

映太郎

ケイト・ブランシェットはカンヌ国際映画祭とベネチア国際映画祭のどちらも審査委員長を務めたことがあるよ

映画人の最大の憧れ!カンヌ国際映画祭

おさえておきたい映画賞③世界三大映画祭
引用:asahi.com
  • 開催国:フランス
  • 開催月:5月
  • 開催場所:カンヌ
  • 最高賞:パルム・ドール賞

カンヌ国際映画祭の過去の受賞作品

  • 2021年受賞作品:2021年7月発表
  • 2020年受賞作品:新型コロナの影響で見送り
  • 2019年受賞作品:パラサイト 半地下の家族
  • 2018年受賞作品:万引き家族
  • 2017年受賞作品:ザ・スクエア 思いやりの聖域
  • 2016年受賞作品:わたしは、ダニエル・ブレイク
  • 2015年受賞作品:ディーパンの闘い
  • 2014年受賞作品:雪の轍
  • 2013年受賞作品:アデル、ブルーは熱い色
  • 2012年受賞作品:愛、アムール
  • 2011年受賞作品:ツリー・オブ・ライフ
  • 2010年受賞作品:ブンミおじさんの森

カンヌ国際映画祭の特徴

世界三大映画祭の中でも最も注目度が高く、映画人の憧れとなっているのがカンヌ国際映画祭です。

授賞式の豪華さも他の映画祭の群を抜いていますし、メディアからの評価も高いため大変影響力のあるものとなっています。

また映画祭自体も一般客の参加はできず、映画関係者のみだけで開催されるのが特徴的です。

受賞作品は政治色の強い作品や文芸的な作品、また欧州や中東、アジア作品が選ばれる傾向があります。

何より映画の芸術を追及する映画祭のため、作品の質の高さが問われます。

カンヌのコンペティション部門に出品することができれば、映画人生冥利に尽きるという想いで映画製作をしている人たちも多いようです。

映太郎

実はハリウッド映画は嫌遠されがちだよ

【雑学】カンヌ国際映画祭の野外上映会

おさえておきたい映画賞③

カンヌ国際映画祭は一般客の参加は認められていませんが、何と会場の隣ビーチでは野外上映会が行われおり、こちらは無料で誰でも入場可能になっています。

砂浜の上にリクライニングチェアが設置され、巨大スクリーンで名作が楽しめます。

カンヌ国際映画祭の会場が近くであるため、運が良ければ訪れたセレブたちを垣間見ることもできるようです。

まさにその場所、その期間ならではの悦に浸りながらの映画鑑賞ですね。
誰にとっても極上の体験となることでしょう。

カンヌ国際映画祭期間は、このように街全体で映画を楽しみ盛り上げているので、世界中の映画ファンがカンヌを目指してやってくるのが分かります。

倫子

カンヌで星空の下の映画鑑賞なんてロマンチックだよね

世界最古の映画祭!ベネチア国際映画祭

おさえておきたい映画賞③世界三大映画祭
引用:cinematoday
  • 開催国:イタリア
  • 開催月:8月~9月
  • 開催場所:ベネチア
  • 最高賞:金獅子賞

ベネチア国際映画祭の過去の受賞作品

  • 2020年受賞作品:ノマドランド
  • 2019年受賞作品:ジョーカー
  • 2018年受賞作品:ROMA/ローマ
  • 2017年受賞作品:シェイプ・オブ・ウォーター
  • 2016年受賞作品:立ち去った女
  • 2015年受賞作品:彼方から
  • 2014年受賞作品:さよなら、人類
  • 2013年受賞作品:ローマ環状線、めぐりゆく人生たち
  • 2012年受賞作品:嘆きのピエタ
  • 2011年受賞作品:ファウスト
  • 2010年受賞作品:SOMEWHERE

ベネチア国際映画祭の特徴

こちらは一般客でも参加でき、レッドカーペットを歩くセレブ達を近くで見ることもできるので、カンヌ映画祭とは違った身近さがあります。

当初はイタリア映画のための映画祭でしたが、国際的な映画祭として変化しました。

最近では過去受賞作品で分かるとおり、アカデミー賞にノミネートされるような作品が受賞傾向にあります。

かつては芸術性の高いアート系の作品が中心でしたが、商業性を重視され始めてからはアカデミー賞の前哨戦とも言われ始めています。

また日本映画をコンスタントに選出してくれ、北野武監督や是枝裕和監督を世界に知らしめてくれたのもベネチア国際映画祭です。

映太郎

アジア作品を真っ先に評価したのもこの映画祭だよ

愛を感じる!ベネチア国際映画祭と北野武監督の関係性

面白いネーミングの賞が目を引きますが、この賞名は、北野武監督の映画『監督・ばんざい!』にちなんで名づけられた賞です。

そして2007年、第1回目の受賞者となったのも北野武監督です。

賞としては、長年に渡り挑戦的に映画作りをしている監督を称えるための賞です。

北野武監督がどれほどベネチア国際映画祭で愛されているのか、分かりますね。

その後も世界の名匠監督が次々と授与されていますが、その中に監督&俳優業をこなすシルベスター・スタローンやアル・パチーノの名も連ねています。

倫子

北野監督はベネチア国際映画祭では「HANA-BI」(97)で金獅子賞、「座頭市」(03)では銀獅子賞を受賞しているよね

審美眼が問われる!ベルリン国際映画祭

おさえておきたい映画賞③世界三大映画祭
引用:asahi.com
  • 開催国:ドイツ
  • 開催月:2月
  • 開催場所:ベルリン
  • 最高賞:金熊賞

ベルリン国際映画祭の過去の受賞作品

  • 2021年受賞作品:Bad Luck Banging or Loony Porn
  • 2020年受賞作品:悪は存在せず
  • 2019年受賞作品:シノニムズ
  • 2018年受賞作品:タッチ・ミー・ノット 〜ローラと秘密のカウンセリング〜
  • 2017年受賞作品:心と体と
  • 2016年受賞作品:海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜
  • 2015年受賞作品:人生タクシー
  • 2014年受賞作品:薄氷の殺人
  • 2013年受賞作品:私の、息子
  • 2012年受賞作品:塀の中のジュリアス・シーザー
  • 2011年受賞作品:別離
  • 2010年受賞作品:蜂蜜
映太郎

2002年では、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」がアニメーション作品として初めて金熊賞を受賞したよ

ベルリン国際映画祭の特徴

こちらも一般客が参加できる映画祭ではありますが、上映される作品はかなり上級者向けの重厚な作品が目立ちます。

大都市での開催ということもあり、観客動員数は50万人にものぼり、映画祭の規模では世界一となっています。

また映画の公式部門数が多く、受賞作品も多様性があります。

特に新人監督の発掘に力を入れているため、作家性が重視されています。

受賞作品は社会的、哲学的な作品が評価されやすい傾向にあります。

そのため一般受けしずらい作品のくくりとなり、受賞しても残念ながら日本で公開されない作品もあります。

革新的!ベルリン国際映画祭の「ジェネレーション部門」

この部門の特徴は子供が主人公であり、子供を題材に扱った作品が選ばれます。

また審査員も全員子供で、議論し合いながら最優秀賞が選ばれるという新しくユニークな形でつくられています。

子供向け映画だと誤解されがちですが、全世代が観られる映画になっています。

若者視点で描かれる世界が、社会に向けてどのようなメッセージを発信しているかに目を向けられているようです。

倫子

2020年は諏訪敦彦監督の「風の音」が特別表彰を受賞したよ

まとめ

いかがでしたか。

三大映画祭と一括りにしがちですが、それぞれの受賞しすい作品の特徴や、会場の雰囲気があらましつかめたかと思います。

映画の宣伝や予告で見かけたときは、ぜひチェックしてみてください。

過去の受賞作品はVOD(映画動画配信サービス)で観れるので、ぜひご覧になってみて下さい。


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