「映画に関わる仕事はどんなものがあるの?」
「あまり知られていない仕事は?」
この記事ではこういった悩みに答えます。
本文は4分程で読めます♪
映画好きな人にとって、ふと、どんな人が映画仕事に携わって、素晴らしい映画作品が作られ世に出ているのかと思った事はありませんか。
私は映画がおやすみ前の至福で、いつも様々な作品を見ているのですが、恥ずかしい話、映画に関わっている仕事は一部しか想像できません。
例えば、私のイメージで映画の仕事と言えば、映画館のアルバイトに、CMに出ている監督と俳優、映像自体を作るためにはカメラマンや、撮った映像を編集する人がいるだろうな、とポツポツ思いつくほどです。
学生さんなら進路、僕はいつかの転職の為にもザックリ全て知っておきたい!
調べてみると、イメージよりもはるかにたくさんの仕事がありました。
中にはびっくりするような「あまり知られていない映画に関わる仕事」もあります。
本記事ではこれらの仕事を分かりやすく、聞いたことのある仕事とそうでない仕事、そしてそれぞれ映画への携わり方でカテゴリー別に紹介しています。
どんな仕事があるの?~聞いたことのある仕事編~
物語を作るところから、映画作成されて、映画館や自宅で私達が視聴できるようになるまで、実に色々な仕事をする人が関わって、作品は世へ送り出されていました。
映画に関わる仕事は、芸術センスや職人技で経験や実力が認められて仕事をしていく職種が多いです。
「好きを仕事に」とはまさにこの業界の事!と思ったな♪
聞いたことのある仕事が多いものを、具体的にそれぞれ説明します。
仕事一覧から選んでご覧いただくこともできます。
- 映画監督
- 俳優
- 声優
- 演出家(舞台監督)
- シナリオライター・脚本家(物語を脚本にする)
- 字幕翻訳家 要資格
- 美術監督・スタッフ
- 特殊メイクアーティスト
- 照明スタッフ(照明技師)
- 音響スタッフ
- 映像プロデューサー・ディレクター
- 映像カメラマン
- 映像編集者(映像エディター)
- CGデザイナー(CGアニメーター)
- アニメーター
- 映画配給
- 映画宣伝
映画の軸を作る仕事6つ
映画監督
役者やスタッフをまとめ、映像作品を仕上げるリーダー。
どんな映画をつくりたいか、イメージをもち、企画構成、シナリオから、演技、撮影、照明にいたるまであらゆる面で指揮をとり映画制作を完成させる責任者です。
同じ作品でも監督のセンスで全く違う雰囲気に仕上がる為、芸術的センスや発想力が求められます。また、それぞれの担当と話し合い一つの作品にするため、コミュニケーション能力も必要な仕事です。
俳優
監督が求める人物像を作り上げ、物語の登場人物として欠かせない存在です。
監督や演出家、プロデューサーや共演者と話し合い、与えられた脚本を読み込んで自分の「役」を作り上げ、それを演じる仕事です。
テレビドラマ俳優、舞台俳優、映画俳優、ミュージカル俳優、あるいは喜劇俳優やアクション俳優などがいます。また、中にはタレントや声優、歌手活動や文筆業など、俳優以外の分野でマルチに活躍する人もいます。
スタントマン・スーツアクター
俳優の代役として、非常に危険度の高いシーンで演技を行うのがスタントマンです。
常にケガや事故ととなり合わせのため、高い運動能力と反射神経が必要です。
一方スーツアクターは、スタントマンから派生した仕事です。
キャラクターの着ぐるみを着込んで、演技やアクションをこなします。顔の出ない仕事ではありますが、顔出しで役者を兼ねている場合もあります。
エキストラ
通行人、群集など物語で空間を作る役を演じる出演者のこと。
必ずしも俳優が演じるわけではなく、リアルさを演出する上で無くてはならない存在です。
人材は主にタレント事務所、現地、インターネットでの公募で集めます。一般に謝礼が支払われますが、無償での出演もあった、内部の撮影スタッフがエキストラとして出演する場合もあります。
声優
台本に書かれたセリフを、映像にあわせて、登場人物の声としてふきこむ仕事です。
とくにアニメ映画では、その声の演技がキャラクターの印象を決める、とても重要なポジションです。
吹き替えの場合は、海外の俳優さんの声(原音)を聴きながら、訳された台本のセリフを見て、声をあててゆきます。
通常のアニメ作品などに比べて、原音を聴きながら台本も見ながらのアテレコになりますので、高いスキルと経験が求められます。
演出家(舞台監督)
舞台・ドラマづくりの総監督。
舞台やドラマをどのようにつくり表現していくか、すべてのスタッフ、役者などにその意図を伝え、芝居を完成させていくのが仕事です。
コミュニケーション能力も問われる。テレビ会社や劇団、制作会社などに所属して、演出家を目指して修業を積むのが一般的。
シナリオライター・脚本家(物語を脚本にする)
映画シナリオライターは脚本家とも呼ばれ、登場人物のセリフや映画のシナリオが詰め込まれた、脚本をつくる仕事です。
出演者・演出者は、脚本を元に演技・演出を行うため、この脚本が、いわば映画全体の設計図です。
面白いストーリーを考える発想力・構成力はもちろん、映像化した時のイメージをしながらつくる必要があるため、客観的な視点や広い視野も必要になります。
原作のある映画の場合、原作の内容を再構築して脚本を書くこともあります。
字幕翻訳家
さまざまなジャンルの外国語を日本語で表現して台本に書き直します。
普通の翻訳家と違い、映画の翻訳家には映画ならではの配慮する点があります。たとえば観客の読むスピードに合わせて限られた文字数の中で翻訳する、また映画のテーマやキャラクターに合わせた言葉遣いに合わせる必要があります。
また、海外キャストの翻訳を担当することもあるため、コミュニケーション力も必須となります。
映画の空間を作る仕事4つ
美術監督・スタッフ
舞台・映画・テレビの撮影で使用する舞台装置や小物の制作をするのが主な仕事となります。
映画のイメージに合った空間(風景・場所)を作り、人物の設定やストーリーなどに基いて設計し、役者が演じやすい空間か、撮影がしやすいかなど、撮影全体に対する配慮も考えて制作します。
美術監督が図面を描いて、スタッフに制作の指示を出して仕事を進めます。
映画の美術部は美術監督を頂点に、大道具(装置)、装飾(小道具)、衣装、ヘアメイク、持道具、特殊美術などに分かれています。
手先が器用とか、物作りと美術の授業が好きなら向いてるかも!
特殊メイクアーティスト
舞台に登場する人物を作り上げるメークアップ・アーティストです。
出演者に対し、役柄に合ったメークを施します。架空の人物を作り上げるにあたり、創造力、独創性は必須。
また、メークを施される人物の骨格や肉付きを考慮し、よりリアルに見えるメークを開発していく技術や知識も欠かせません。
照明スタッフ(照明技師)
撮影現場で監督の意図通りに照明を操作し、その場の雰囲気を操作します。
指示された演出の意図を、撮影チームとどのような照明を使えば、効果的かといったことを打ち合わせ決定します。
機材の搬入から設置、設備もコントロールするので、体力も必要な仕事です。細かい調整の作業が多く、照明の角度や光の微妙な違いによって、シーンのイメージに関わる為、大切な役割です。
音響スタッフ
楽曲・効果音の制作、作品への実装・加工、空間を表現し、作品全体の演出します。
楽曲や効果音などは作品の世界観に入り込むための重要な要素になるため、音のない映像に0から音をつけていく音響デザインは、発想力やアイデアなどが必要な仕事です。
また、音声を調節したり、効果的な位置にマイクをセットしたりするのも仕事。いろいろな場所で常にいい音を出すには、熟練した技術とセンスが必要なため、新しい技術を検討したり、システム作りをすることもあります。
映像を作成する仕事5つ
映像プロデューサー・ディレクター
プロデューサーは、予算や質の管理など全体の制作総括責任者です。
企画立案をして、市場調査や世間の動向を見たりしながら考えていきます。
企画が承認されれば、スポンサーや出演予定者との交渉、資金集めをするためにスポンサーや広告代理店を回ることもプロデューサーの役割。
また、キャスト決定のオーディションにも監督と参加し、作品の完成が近づくと広告戦略も練ります。
ディレクターは、プロデューサーが行った大枠の決定に従って、企画を実質的に制作し、演出するのが仕事です。
時には自らカメラをまわしたり、映像の編集を行ったりもします。
映像カメラマン
場面に合わせてカメラを操作、使われる映像素材、そのすべてをカメラで撮影するのが映像カメラマンの仕事です。
求められているシーンを撮影するためには、展開によってどのようにアングルやショットを変えるかなど、たくさんの撮影の知識、技術、そしてセンスと経験が必要となるため、映像制作の現場において職人としての実力がもっとも要求されます。
映像編集者(映像エディター)
1コマ1コマの映像素材を編集して、制作・編集する仕事です。
映像編集者はオフラインエディター(仮編集)とオンラインエディター(本編集)の2種類に分かれます。
オフラインエディターは、映像素材をつなぎ合わせ、映像にタイトルを挿入したりと比較的簡単な作業が主な仕事です。
また、CGなどの素材を使う場合は、仮の素材で編集をするという作業を行います。それによって、時間がかかってしまうやり直し作業を、防ぐことができます。
オンラインエディターは、仮編集されたものに肉付けをして、映像作品として完成させます。
その時、映像の色味の調整や音声・音楽の合成も行います。
この本編集でできた作品が、そのまま映画として完成品となるので、高度な技術が必要です。
CGデザイナー(CGアニメーター)
コンピュータグラフィックスで2Dや3Dの映像やイラストを制作する仕事です。
キャラクターを創作することもあれば、2Dイラストをもとに3Dグラフィックを作成したりします。デッサン力と3Dソフトを使いこなすスキルや経験が必要。
CGアニメーターは、デジタル技術を駆使して2Dや3Dのアニメーションを制作します。
リアルな表現にする為に、身の回りにあるものがどのように見えているかを観察する力が求められるだけでなく、この世にない世界をどう表現するかという発想力も求められます。
アニメーター
アニメーターには、原画マンと動画マンがいます。
原画マンは、監督から貰った絵コンテや設定資料、指示書などをもとに、0からキャラクターや背景を描いていきます。
一方動画マンは、原画マンが用意した原画と原画の間に、中割り(間の絵)を描いて、アニメーションに動きをもたらし、下書きの線を仕上げる仕事です。監督の指示を聞いて動きをつけたり、細かい作業が必要です。
動画マンの経験があればスキルアップして、軸となるイラストを描く、原画マンになれます。
映画を売る仕事2つ
映画配給
国内または海外の映画制作会社から、映画の上映権利を買い、興行会社(日本では東宝や松竹など)と交渉の後に、公開する映画館を確保します。
その後は映画の宣伝や広報を行い、映画の公開終了後も映像ソフト化、動画配信などの際に宣伝活動をします。
買いつけ時の交渉力、海外の会社を相手にする際は語学力、配給先に映画の魅力を伝えるプロモーション力が必要とされます。
映画業界のできるサラリーマン!って感じで憧れる仕事だな。
映画宣伝
担当する映画のウリを考え、効果的に宣伝する仕事です。
映画配給会社の宣伝部や広告代理店などで、公開予定の映画のどんなところを売り込むか宣伝戦略を立て、宣伝文章やポスター、CMなどを制作し、新聞やテレビ、インターネットなどでの広告に携わります。
どんな仕事があるの?~あまり知られていない仕事編~
ここまでは、どこかで耳にしたことのある職業を紹介しました。
今度は単語だけ聞くと「何だろう?」とおもってしまう、陰の立役者、今では貴重な仕事、逆に最近メジャーになってきた仕事の紹介です。
そんなポジションで頑張っている人もいたんだと、
これまでは全然知らなかったから驚いたよ!
こちらも下記仕事一覧から選んでご覧いただけます。
- スクリプター(監督の女房役)
- ロケコーディネーター(スケジュール調整担当)
- ステノキャプショナー(字幕を付ける人)
- マットペインター(イラストで合成用の背景を作成)
- 操演技師(リアルなアクションの演出家)
- 特殊造形家(物作りのプロフェッショナル)
- 放送作家・映画コメンテーター(映画評論家)
- 映写スタッフ(今ではレアな仕事)
映画の軸を作る仕事3つ
スクリプター(監督の女房役)
映画撮影のときに、監督の横で撮影内容の詳細を記録する人のことです、主に女性が多い職業です。
まず撮影のすべての行程を把握し、天候、撮影時間、小道具からキャストの髪型、立ち位置など、常に「芝居のつながり」を考えながら管理し、記録していきます。
撮影が終われば、膨大な記録を元に、編集作業にも立ち合います。
監督の考えをしっかり把握・理解していないとできないことから「監督の女房役」ともいわれます。
ロケコーディネーター(スケジュール調整担当)
撮影をスタジオ以外で行う時、撮影目的に合ったロケ地を探します。
情報を調べ、様々な場所へ行き実際に確認し、条件に適した場所の候補地を選定していきます。
その他に、人材・スタッフの手配、撮影時の行動・移動スケジュールの提案、ロケ地との交渉や地元警察への許認可申請といった事務仕事など、さまざまな業務を行います。
ステノキャプショナー(字幕を付ける人)
映画、テレビ番組などで流れる字幕の打ち込みを行う仕事です。
作品を視聴しながら、字幕入力専用のキーボードで文字に起こします。
聞き取った内容は一字一句素早く、正確に入力する必要があります。「字幕速記者」とも呼ばれてます。
映画の空間を作る仕事3つ
マットペインター(イラストで合成用の背景を作成)
「マットペイント」とは、かつての実写映画における背景画などの「絵」の部分のことです。
本物かと見間違えるくらい精巧(せいこう)に描かれており、これを実写映像と合成し、リアルに見せる工夫がされています。これをを製作する人がマットペインターです。
現在では「デジタルマットペイント」として、パソコンのソフトウェアを使ってCGと実写映像をデジタル合成することが主流です。マットペイントは背景などの映像を全てCGで作るより早く、安価に制作できるメリットがあります。
操演技師(リアルなアクションの演出家)
爆発や崩壊、炎上などのシーンで、ワイヤーで人を吊り上げ浮遊させるなどにより、リアルに見せる演出をするのが、操演技師の仕事です。
現在ではCGが多く使われるようになり、需要は少なくなっていますが、それでも、「本物」にこだわる監督も多く、ダイナミックなアクションを演出できる高いレベルの操演家が求められています。
ワイヤーアクションというと「マトリックス」を思い出すね!
特殊造形家(物作りのプロフェッショナル)
映像やテレビスタジオなどの撮影現場から、アミューズメントパークや博物館の展示物まで、さまざまなシチュエーションで必要となる造形物を製作します。
作成する造形物は、着ぐるみ、模型や小道具、ジオラマにミニチュアモデルなど実に多くの種類があり、フィギュアやガレージキット、特殊メイクも含めて特殊造形とすることもあります。
映画を売る仕事2つ
放送作家・映画コメンテーター(映画評論家)
テレビやラジオ番組を企画して台本を書き、映画の魅力を伝えます。
テレビ(地上波、衛星放送、インターネットを利用した動画配信など)やラジオ番組の企画立案、情報のリサーチ、構成、台本作成などを行うのが放送作家です。
かつては裏方的な存在でしたが、最近は人気番組を抱えるような、売れっ子作家や、芸能人がテレビ番組やCMに出演して話したり、イベントを立ち上げたりと、多方面で活躍するケースも見られます。
金曜ロードショーの映画コメントを思い出すわ。
映写スタッフ(今ではレアな仕事)
映画のフィルムをスクリーンへ映す仕事です。
現在、デジタル化が進み、フィルムで上映している映画館はほとんどありません。映写室が無人のところもあり、とても珍しい職種になってきました。
上映機材のメンテナンスを任せられることもある為、映像や音響、設備や機材に対する知識が必要です。
子供の頃、映画が映されている光が出ている、映写室の窓が気になってたっけ。かっこいいいなぁ。
まとめ
物語を「ゼロ」から考える人と束ねる人、演出・演じる人、撮影・編集する人、その出来上がったものを売る人、実は陰からサポートしている人、映画ってこれだけ沢山の仕事をする人が関わって出来上がっていたのですね。
今回、世の中にあまり知られていない仕事を知ることもでき、とても興味深かったです。
映画大好きだし、もっと早くに知っていたら進路を変えていたかもなぁ…!
昔は本で、いくつかのメジャーな仕事しか知ることができなかったもんね。
自宅で沢山の映画作品が見れるようになった時代、皆さんも「映画に関わる仕事」、今後の進路に役立てたりと、覚えていて損はない知識です。
もし、映画好きな友達に聞かれたらぜひ話してみてくださいね。
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